オーガニックフィールドは、インドの農家のオーガニック農法への転換を支援し、環境負荷の低減と労働環境の改善を目指す取り組みです。
「コットン・イン・コンバージョン」と呼ばれる移行期間のコットンを買い取ることで、農家のオーガニックへの参入を促し、その普及を目指しています。収穫されたコットンは、種の選定から綿花の栽培、糸の生産までをオーガニックのプロセスで管理することでトレーサビリティを担保しています。
従来のコットン栽培には、何千トンもの農薬や化学肥料などが使用されており、土壌・水・大気の汚染を引き起こしています。これらの化学物質の使用は、無数の生物へ悪影響を及ぼし、生態系のバランスを崩します。また、従来農法による農業は、林業やその他の土地利用とともに、温室効果ガスの年間排出量の大きな割合を占めています。オーガニック農法への転換は地球環境への負荷を軽減するだけでなく、農家の人々の健康を守り、労働環境の改善にもつながっています。
世界で生産される綿花のうち、オーガニックコットンはわずか1.4%*しかありません。その背景には、オーガニック認証が得られない3年間の存在があります。畑のオーガニック化には、土壌の健全化や化学物質の排除など、多くの手間と時間がかかります。この期間中に収穫されるコットンは「コットン・イン・コンバージョン(移行期間中のコットン)」と呼ばれています。オーガニックと同じ栽培方法で育てているにもかかわらず、土壌がオーガニックの基準を満たすまでには一定の期間が必要という理由から、オーガニックコットンとは見なされず、市場で十分な認知や評価がされにくく普及を妨げる要因となっています。
オーガニックフィールドの取り組みではこの課題に向き合い、オーガニック農法の指導だけでなく、移行1年目(IC1)から3年目(IC3)までのコットンにプレミアムを加えて買い取ることで農家の挑戦を後押しし、オーガニック化以降も継続的にサポートします。
*Textile Exchange. Organic Cotton Market Report 2022.
https://textileexchange.org/app/uploads/2022/10/Textile-Exchange_OCMR_2022.pdf
2020年にインドで発生したオーガニックコットンの偽装問題をきっかけに、コットンを扱う企業としての責任と、「信頼できるオーガニックコットンを安定して届けたい」という思いから、「ORGANIC FIELD」がスタートしました。
取り組み初めての綿花を収穫
オーガニック認証取得予定のコットンの出荷に向けて、必要書類の整備を進める
認証を取得した農家に対して、自立に向けたサポートを開始
農家がオーガニック農法へ転換し、自立して継続できるよう、6つの取り組みを行っています。
長期的な取り組みを通じて、雇用の創出と地域社会の発展にも貢献します。
オーガニックフィールドの畑での栽培や収穫の様子、取り組みの進捗状況など、現地のリアルな情報を定期的に発信しています。
オーガニックフィールドは、畑から糸の生産までの管理を実現しています。非遺伝子組換えの種を使用し、オーガニック農法で綿花を育て、すべて手摘みで収穫。農家での保管方法から紡績工程に至るまで、コンタミネーション(異物混入)が起こらないよう徹底した管理体制を整えています。
種から紡績までのトレーサビリティを確保するためのパートナー
NSL社は、1970年代半ばにM.Prabhakar Rao氏が種苗メーカーとしてスタートしました。綿花生産においては、インド最大規模の種苗メーカーの強みを活かし、農家と協力して約8,000ヘクタールの農地で生産しています。綿花の栽培から紡績、織布、加工までの一貫生産体制を確立し、トレーサビリティを確保しています。