気候変動の進行やライフスタイルの多様化により、衣服にはこれまで以上に多様な機能が求められています。気温差への対応や快適な着心地、清潔さの維持など、日々の暮らしを支える「機能性」は、素材開発において欠かすことのできない要素のひとつとなっています。
スタイレムでは、2017年より独自の衣料用生地機能性評価基準「PLUS FUNCTION®(プラスファンクション)」を展開しています。機能性に関する品質試験の結果をもとに、30の機能項目に分けて社内承認を行っています。試験方法には日本産業規格(JIS)を採用し、JISに該当する検査項目がない場合は、ISOなどの国際規格に基づいて評価を実施しています。
「爽やかさ」は、生地が肌に触れた際に感じるひんやりとした感触と、衣服内の湿気を外へ放出して快適な状態を保つための機能です。
接触冷感性や透湿・吸放湿性をもつ素材により、汗や熱のこもりを軽減します。主にシャツやスポーツウエア、肌着、寝装品などに用いられ、日常生活における清涼感を高めます。
「清潔さ」は、衣服を衛生的に保ち、快適な着用環境を維持するための機能です。
繊維上の細菌の増殖を抑え、汗や皮脂などによる臭いを軽減します。花粉や汚れが付きにくく、付着しても落ちやすい特性を備えています。汗じみを目立ちにくくする加工により、清潔感のある見た目を保ちます。日常のさまざまなシーンで、快適さと安心感をもたらします。
「安心・安全」は、衣服を快適に着用できる状態を維持し、身体を守るための機能です。
防風性や防水性により外部環境から身体を保護し、紫外線や日射による身体への熱の影響を軽減します。静電気の発生を抑え、繊維上の特定のウイルスの数を減少させるなど、衛生面にも配慮しています。日常生活から屋外活動まで、さまざまな環境下で安心して着用できます。
「イージーケア」は、衣服を扱いやすくし、日常のメンテナンスを快適にするための機能です。
速乾性や撥水性に加え、洗濯後のしわや着用時のしわを軽減する加工、肌着が透けにくくする機能などを備えています。さらに、ストレッチ性による動きやすさや、手洗い・洗濯機洗いに対応する耐久性にも配慮しています。日常のケアを軽減し、整った着用感を保ちます。
「暖かさ」は、衣服内の熱を外部に逃しにくくし、快適な温もりを保つための機能です。
光を吸収して熱に変える素材や、体から発する熱を吸収し再放射する加工、空気中の水分を熱に変える素材など、多様な仕組みにより保温性を高めます。寒冷な環境下でも体温を適度に保ち、日常からアウトドアまで幅広いシーンで、心地よさを維持します。