瀧定大阪とスタイレムは2月1日付で合併し、スタイレム瀧定大阪となる。新会社では新たに経営企画本部を立ち上げるなど組織も変更する。その狙いや今後の方針を瀧隆太瀧定大阪社長兼スタイレム会長に聞いた。
――社名に瀧定大阪を残した。
小売り事業からほぼ撤退した時点で事業の一本化は決めていました。社名をスタイレム瀧定大阪にするのは、国内外で定着してきたコーポレートブランドのスタイレムを生かしながら、150年を超える歴史を持つ瀧定という名前が持つ信用、信頼をこれからも大事にするとの思いからです。
――瀧昌之氏が会長になる。
昌之さんは瀧定大阪の取締役であり、瀧定名古屋の会長です。ここ何年か瀧家の人間が両社の会長を務めていませんでした。昌之さんも瀧健太郎さんに社長を譲り2年。どちらかに偏るのではなく両社を等しく見る立場として新会社の会長に就いていただきます。昌之さん、健太郎さんとはよく話をします。良きライバルであり、緩やかに連携する関係は変わりません。
――経営企画本部を新設し、グローバル事業部をなくす。
グローバル事業部長の谷田修一専務が経営企画本部長に就きます。大きな変わり目である今、サステイナビリティー(持続可能性)とデジタル技術の活用を経営の根幹に据え、事業に落とし込みます。グローバルに販売する、デジタルを活用して良いビジネスを作るために不可欠だからです。事業のあり方も進化し、変わるでしょう。
グローバル事業部は、テキスタイルを主に扱う第一事業部に組み入れて一体運営します。一つの部署が海外に売るのではなく、日本を含めたグローバル市場を前提に事業を組み立てる。グローバル事業部、海外現地法人を軸にこの5年で中国、欧米、韓国などで新規顧客がかなり増えました。次のステップでは事業本部と海外現地法人がもっと密に連携して点を線、面にする。売ることはもちろん、作ることにおいてもです。
2021年(令和3年)1月6日 水曜日 繊研新聞 4面