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瀧定大阪グループ スタイレムの全容 新役員4人に聞く

2015年2月、スタイレムという会社が発足した。国内服地最大手である瀧定大阪の完全出資子会社であり、瀧定大阪から原料、テキスタイル、アパレル製品、ライフスタイル製品に及ぶサプライヤー事業すべてとそれに伴う従来の企画・開発、調達、販売機能すべてを承継した新会社である。

発足と同時に組織体制をこれまでの消費スタイルシーン別から、原料・テキスタイル、製品、海外の3事業を軸とした機能別に再編。新会社の采配を託された小川修社長はその狙いを、「機能の再強化」と表現する。瀧定大阪の強みであった「企画」「提案」「リスク」という機能を再び強化していくとともに、事業部制導入など、ここ数年の“”変革”のなかで形成してきた“チーム瀧定”の追求に力を注ぐ。

新生スタイレムでは組織体制の変更とともに、新たに5入の役員が誕生し、新組織体制での事業運営が始まった。56歳の小川社長以下、50歳の酒向正之副社長、47歳の飯田悟司取締役、45歳の谷田修一取締役、44歳の西山伸一取締役と続く新役員は皆、営業マン時代に一時代を築いた猛者ばかり。4人の新役員の人となりに触れながら、それぞれ管掌する各事業の現況と、将来の抱負を聞いた。

取締役副社長 事業本部 本部長 酒向 正之氏
世界一のプラットホームを
父親の仕事の関係で米国ロサンゼルスに生まれ、8歳まで育った。立命館大学経済学部を卒業後、瀧定に入社。婦人服地の26課に配属、16年間を同課で過ごし、29課への異動とともに課長になった。
大きな転機が訪れたのは2009年の上海現地法人の設立だ。所属こそ本社だったが頻繁に日本と上海を往来、「2年間ほぼ上海にいた」。その後、2011年に総経理として正式に上海に赴任した。
以来、スタイレムの副社長として帰国するまでの4年間、上海現法の事業拡大にまい進。初年度約4億円だった売り上げを約60億円にまで拡大させた。「本社の協力もあり、スタッフにも恵まれた」と振り返る。

-事業本部長に就きました。
与信管理や予算組み、人事戦略の策定などが仕事です。今期は機構変更もあったため、来期には各事業部長と連携しながらもっとしっかりとした計画を打ち出す予定です。
-中国事業が伸長しています。
業績的には急拡大していますが、まだ遅いという見方もあります。現法売上高の当面の目標は100億円。規模だけでなく中身も大事。今後は内販比率を上げていきます。
-スタイレムの将来像を。
まず、リスクに挑戦する風土をもう一度醸成していきたい。リスクテイクのないところに利益は生まれません。そのうえで、規模感だけでなく業界をリードするという意味も含め、ファッションビジネスにおいて、世界一強いプラットホームを作りたいですね。

取締役 事業本部 副本部長 グローバル事業部 事業部長 谷田 修一氏
顧客との距離感縮める
関西大学法学部を卒業してから瀧定に入社。当時スパルタで有名だった27課に配属された6年間で、様々なことを学んだ。
同課が分課された際に、小川修現スタイレム社長のもと、新生27課に。同課では小川課長のもと、「のびのびと」仕事し、35歳で課長になった。
6年前に「成長戦略プロジェクト」のリーダーに抜擢。若手社員が将来を描くというもので、ここで「グローバル」「製品拡大」「社名変更」などの骨子が完成。以後の“変革”につながる。
最近思うのは、「運や縁を大事にしないといけない」ということ。普段の行動が運を呼び込み、縁を作る。グローバル事業でもこの教訓を生かす。

-海外戦略を加速させています。
現在のグループ拠点は上海、深圳、香港、インド、イタリアに設置する現地法人と、タイ、ベトナムの事務所です。近いうちに北京にも拠点を設けます。
-今後の展開を。
海外でも顧客開拓と取り組みの深耕がテーマになります。顧客との距離感を縮めていくわけですが、現状では中国でそれが進展しています。欧米向けでも当社の強みである“どぶ板営業”で顧客を増やしていきます。
当社の特徴は社内の人間関係がウエットなところ。以前は隣の課がライバルという状況でした。しかし社風として元々ウエットだったところに事業部制の導入や評価基準の変更が加わったことで連携が可能になり、一体感が生まれています。グローバル事業でもこうした特徴を認識しながら、事業拡大を図っていきたいですね。

取締役 テキスタイル マテリアル事業部 事業部長 飯田 悟司氏
モノ作りの深掘り図る
京都産業大学経営学部を卒業後、瀧定に入社。21課に配属され、曰く「まぐれで」いきなり大きな売り上げを作れた。SPAという業態が急速に台頭してきていた時代。頻繁に東京や仕入先に出張しながら「果敢に攻めた」。34歳で同課の課長に昇進。
懸命に働き、会社表彰も受けた。「右肩上がりの人生だった」と振り返る。その後22課長に異動し、当時の専務らから同課の立て直しを任され、収益が出る体制を構築。その後、瀧定大阪が”変革”を推進するなかでヤング向け製品事業のトップに就き、製品拡大という大方針を軌道に乗せた。
これまでの経験で、「良いときに天狗にならず、悪いときに助けてくれる人間関係を構築しておく」ことを学んだ。

-事業部の概要を。
売り上げ規模は約500億円で、原料と服地全般を取り扱います。原料と服地が一体になったことも、婦人と紳士の服地が一体になったことも当社初の試みです。製品事業での経験を生かしながら、原料から生地の一貫体制の構築、製品事業との協業をさらに進めます。
-国内産地の生産スペースが縮小している。
取り組み方が大事になります。間口を広げるのではなく、仕入れ先における当社のシェアを上げる方向で、モノ作りを追求していきます。
-今の市況は。
昨年は消費者の傾向が大きく変化した年。夏、冬のセールではっきりしたことは、いくら安くしてもいらないものはいらないという消費者が増えたことです。この変化に当社も対応します。早期企画や先を読める人材を育成します。

取締役 ガーメント事業部 事業部長 西山 伸一氏
規模より機能を追求
生まれも育ちも大阪府高槻市。学生時代はサッカーに没頭し、同地域の選抜にも名を連ねた。関西大学社会学部を卒業後、瀧定に入社。
入社後は一貫して26課で歩み、旧アパレル事業部副事業部長を務めるまでの約4年を同課課長として過ごした。SPAの台頭など時代変化に応じて同社の売り先も、量販店メーンから百貨店、SPA、セレクト系へと大きく変化。その只中にいたが、「ゼロからの開拓はやりがいがあった」と振り返る。開拓の過程では5分で商談を強制終了させられることもあったが、持ち前の向上心で開拓を続けた。
好きな言葉は「自然体」。直感を大切にしてきた。最年少役員だが、「常に自然体」で振る舞う。

-事業部の概要を。
前期(瀧定大阪として)までは製品特化の旧トレンドストア事業部だけでなく、服地の旧アパレル事業部でもかなりの製品事業を展開していました。タオルや雑貨もあります。これらすべての最終製品事業を集約したのが当事業部です。事業規模は約300億円強ですが、今期は減収を見込んでいます。外部環境によるものと、一部不採算事業の撤退などを見込んでいます。
-事業部内に5つのグループがあります。
それぞれの機能を追求するための区分けです。機能の見直しを図り、顧客満足につなげたい。
-具体的には。
独自性、主体性を持って企画開発を進めます。今後は製品事業でも何らかのリスクテイクが必要になってくるでしょうし、ニット製品の拡大にも取り組みます。

2015年(平成27年)4月28日 火曜日 繊維ニュース5面

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