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春季総合インタビュー 瀧定大阪 社長 瀧隆太氏 顧客価値の最大化図る

瀧定大阪の瀧隆太社長は、市場変化をチャンスととらえ、「ジャストミートの提案」によって需要喚起を狙う。事業承継したスタイレムも今期から始動。新グループ経営体制への移行は、個社の役割を明確化し、最大化した価値を顧客に提案しようという狙いがある。グループ全体のかじ取り役を担う瀧社長に現況と今後を聞いた。

-2015年1月期を振り返ってください。
前期比増収で利益は横ばいでした。テキスタイル、製品ともに増収です。

-前期の課題は。
売り.上げが堅調に推移した一方で、在庫のコントロールが課題でした。思い切って仕入れ、思い切って処分するというのが当社のやり方ですが、その精度を上げていくことがスタイレムの課題の一つだと認識しています。

-海外市場向けはいかがでしたか。
とくに中国市場向け生地販売が伸びました。顧客との距離を縮められたことが拡大につながりました。中国のアパレルでは当社の知名度はまだまだ低い。日本に招待してプレゼンしたり、国内で開く展示会に来てもらって当社の機能を紹介したりといった取り組みを続けた結果、当社に対する見方が変わってきたように思います。深圳の現地法人も上海と連携しながら、軌道に乗ってきました。
注力していく市場はまず中国、そして中国以外のアジアと考えていますが、欧米市場向けも伸びています。とくに米国向けはまだまだ伸び代があるとみています。顧客との距離感を縮めていき、拡大を目指していきます。

-現在の国内市場をどうみますか。
容易ではない環境だと思います。今後は大幅に市場がシュリンクしていくことすら想定しておかないと、と考えています。
市況悪化の要因の一つに業界全体として消費者が買いたくなるような提案ができていないという反省はあります。当たり障りのない商品では消費は喚起できない。消費者の気持ちを「これでいいか」ではなく「これがいいね」に持っていくようなジャストミートの提案が必要です。

-今期(2015年2月~)から新グループ経営体制を導入しました。
瀧完大阪のサプライヤー事業をスタイレムに承継しました。スタイレムとブランドリテール事業を展開する個社が提供する価値はそれぞれ異なり.ます。B2BをしながらB2Cを行うというのは、難しい部分がある。各社それぞれの価値追求、事業推進を強化するというのが新ゲループ経営体制移行の骨子です。

とはいえ、これらは社内事情であり、最も大事なのはその価値を顧客に提供することです。潮目は確実に変化しています。業界全体が転換しなくてはならないと考えており、この潮目をチャンスととらえて、新グループ経営体制で新しいチャレンジを続けていきたい。

-新会社スタイレムについてどのような認識をお持ちですか。
小川修社長以下、5人の取縄役がすでにオーナーシップを発揮してくれており、順調なスタートが切れたと思います。社名の認知度も上がってきたと.感じています。

-M&A含め、様々な業態の会社がグループに名を連ねています。
それぞれ全く違う内容の会社ですが、総じて業績は改善傾向です。今後も固有のブランドの特徴をはっ.きりさせながら業績の維持拡大を狙います。

-日本の繊維産業の強み、弱みとは。
サフライチェーン全体として言えるのは、ブランディング力の弱さ、分業体制による情報共有の薄さなどでしょう。強みは几帳面な国民性だと思います。モノ作りの面でも販売の面でもこの国民性は外国と比べて日本の強みだと思います。ただ、強みと弱みは表裏一体。この強みがブランディングカ、マーケティングカ、デザインカの無さに影響している感は否めません。当社においても、こうした日本の弱みを補完するような提案を進めていかなければと考えています。

好きな歴史上の人物 変化に抗いたくない
「本当に難しい質問ですね」と回答に悩む瀧さん。司馬遼太郎や塩野七生を愛読したが、この人だ!と心酔するような歴史上の人物は見当たらないという。質問を変えて信長、秀吉、家康の中から選んでもらうと、「革新性という点で信長」との回答。ただし、「自分があのようになりたいという意味ではなく」と補足する瀧さん。3人の中で最も自分に近いのは「強いて言うなら家康」という。幕末に話題を移せば、とくに傾倒する人物はいないものの、少なくとも「新撰組は好きではない」そうだ。「時代の変化に抗った印象がある」ためだが、時代の変化に敏感に反応し、次々と新たな施策を打ち出す瀧さんの思いがここにも表れている。

2015年(平成27年)4月23日 木曜日 繊維ニュース18面 春季総合インタビュー

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