ニュース

役割と進路

~ならではの機能や強み発揮~

繊維関連商社の09年度は、「過去最悪のビジネス環境で突入した」と言われた。日本の経済は、産業・業種によっては一部好転の兆しが見え始めているものの、回復材料の乏しい繊維業界は、現在も不透明感が漂う難しさの中にある。ただ、そうした状況下でも商社首脳は「(商社は)先がクリアに見渡せたことがなく、先を読みながら手を打つもの」(NI帝人商事・北野弘社長)、「守りから攻めにシフトチェンジする」(東洋紡スペシャルティズトレーディング・香川裕行社長)、「変革にはチャンス」(瀧定大阪・瀧隆太社長)と前向きな姿勢を崩していない。

各商社は、横並びではなく、それぞれの強みと機能および戦略を全面に打ち出すことで存在感を高めていくが、それによって持続的な成長が可能になるととらえている。経済の本格回復は「今年度後半」「10年度から」「それ以降」と見方が分かれているが、景気好転時期は「繊維業界の風景や秩序がこれまでとは全く違うものになっている」という意見は一致している。その変化に対し、いかに自社の強みや機能をはめ込み、役割を果たしていけるかが成長へのカギを握ると言えそうだ。それが繊維関連商社にとっての”ラストチャンス”だとは思わないが、機を見逃すと他商社の後塵を拝することになる。

(中略)

~変えるべきところを変える~

瀧定大阪は、テキスタイル開発力と営業現場での情報力を自社の強みととらえているが、瀧隆太社長は「”顧客のニーズを真正面から受け止め、それに対応する”という視点に立った場合、十分ではない部分もある」として、会社の変革に取り組む。世界同時不況という厳しい経営環境は「変えるべきところを変えるチャンス」として、新体制の構築や海外現地法人の立ち上げなどを進めていく。会社の変革は一朝一夕に終わるものではなく、数年かけて取り組む覚悟で臨む。

これまで同社は、課別独立採算という体制を敷き、業界内で存在感を示してきた。ただ、ビジネスの環境が激変するなかで、課別独立採算制が必ずしも顧客が求める形になっているとは言えないとし、良い部分は踏襲しながら、「(課別独立採算の)競争の中でも、(部単位で)協調できる体制」(瀧社長)を構築する。同社は商品製作の部分で顧客のニーズに応えることができており、組織構造としての変革を推進することで、顧客の本当のニーズを汲み取れる商社への成長を図っていく。

一方、海外の現地法人の立ち上げは、同社が国内アパレル市場で果たしてきた役割を、中国マーケットでも提供するのが狙いとなる。

中国・上海に100%出資(資本金100万米ドル)の「日本瀧定大阪商貿<上海>有限公司」を11月1日に設立する予定で、中国国内におけるテキスタイルおよびアパレル商材(縫製品)の生産・品質管理業務・販売・受け渡し、これに伴う決済が主たる業務。国内仕入先(各産地企業)とのパートナーシップ強化による付加価値生地の投入も含め、今後、中国内販を加速する。初年度の取扱高は6億円の見込みで、3年目から本格軌道に乗せ、5年以内に取扱高40億円を上回る規模に育てる。なお、同社が海外に現地法人を立ち上げるのは今回が初となる。

一覧へ戻る
PageTop