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変わる、変えるスタイレム瀧定大阪 組織改正の狙いとは?後

酒向正之代表取締役副社長が管掌する事業本部は、生地を中心とした第1事業部、製品を中心とした第2事業部の2事業部体制とする。

 第1事業部は、これまでスタイレムで生地輸出を担当してきたグローバル事業部を解消し、ファブリック、ジャージー、グローバルという三つの組織編成とする。グローバル事業部をファブリック、ジャージーと同格に編成し直した意図は、新会社の方針に掲げる「グローバル事業の強化」に基づき、「国内向け生地販売の課と別々に動くのではなく、一体型でやっていく」ためだ。既に生地輸出事業は中国や欧米を中心に「一定の水準に達した」。さらなる成長を狙う際に「分離していては次のステップに行けない」と判断した。

 グローバル事業の強化に続くもう一つの全社方針、「モノ作りの強化」に向けては、テキスタイルSCM推進室を新設する。日本のモノ作りの課題といわれるリードタイムを短縮し、引き続き品質の向上に取り組むための部署である。日本の産地や染工場だけでなく、中国や韓国、イタリア、インドネシア、インドなど拠点を設ける海外各国でも同様にモノ作りを強化する。

 背景には、「適時・適量・適品供給」という同社の根幹方針が、産地や染工場の疲弊によってままならなくなりつつあることがある。国内外でモノ作りの強力なサプライチェーンを構築することでこの問題を解決する狙いだ。「残された時間は多くない」と危機感を抱きながら、需要を予測し、「科学的、合理的なアプローチ」を国内外の協力工場と一体で進めていく。

 製品を中心とする第2事業部にはガーメント3部という新部署を設ける。同部のミッションは、全社方針の三つ目である「新規事業への挑戦」だ。まずは自社ブランド製品の消費者向けネット販売を主要事業に、「さまざまな新しい案件に取り組んでいく」ことになる。同部にとどまらず「全社を挙げて新しい事業や新たな販路を見つけ、非ファッション領域に挑戦していく」との考えを鮮明にする。社長直轄組織として立ち上げるR&D部でも原料からのアプローチを含めて事業領域の拡大を探っていく。

 2月1日に始動するスタイレム瀧定大阪は、サステイナビリティーとデジタル技術で企業を変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)を重要な環境要素に定めつつ、グローバル、モノ作りの強化、新事業の創出を狙う。瀧隆太社長は「新型コロナウイルス禍の前から描いてきたビジョンを組織という形にした」と強調。新型コロナ禍が変革のスピードを加速させたのも間違いない。国内服地最大手のスタイレム瀧定大阪が自ら変わり、業界を変えていく。

2021年(令和3年)1月8日 金曜日 繊維ニュース 2面

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