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トップインタビュー スタイレム瀧定大阪 国内を基盤に適地生産追求 社長 瀧 隆太氏

スタイレムと瀧定大阪の2021年1月期の2社連結決算は、売上高が580億円(前期比27.3%減)で各段階の損益がいずれも赤字と苦戦を強いられた。2社を統合した上でスタイレム瀧定大阪に社名を変更し、組織改正も行った今期は増収、黒字化を見込む。前期の赤字要因が主に構造改革によるものだったことに加え、方針が現場に行きわたったことが大きい。

-国内外でモノ作りのサプライチェーンに変化が見られます。
 振り返れば、日本の繊維産業は1990年代、2000年代に中国への生産シフトを行い、結果として中国への一極集中という状況を作りました。そして10年ほど前からコスト低減やリスク分散を目的にチャイナ・プラスワンが重視され、ASEAN地域や南アジアへのシフトが始まりました。

 当社でもこの間、基盤を国内に置きながらも中国、インドネシア、インド、韓国、タイ、ベトナムなどで生地生産体制を構築してきました。カントリーリスクを抱えながらもその都度最適な生産地を見極め、生産しています。

-ASEANでのロックダウン(都市封鎖)の影響はありますか。
 ベトナムやインドネシアで影響が出ました。中国などへの振り替えでなんとか対応しています。ただ、中国にも電力制限の問題があり、かじ取りが難しい。操業を停止している工場が多いのですが、省や地域によっては操業しているところもあるわけです。それを知る日本のアパレルが「探せばどこかで作れるでしょ」と依頼してくるのですが、そんなに簡単に探せるものではないのでつらいところです。

-今後の海外生産で重視する国・地域は。
 販売が好調な中国はもちろん、インドネシアでの生地生産を深堀りしていきます。現在は駐在員事務所に日本人2人、ナショナルスタッフ4人を置いており、法人化の準備も進めています。

 中国は上海、深圳の両法人にそれぞれ31人、13人のスタッフを配しています。香港にも法人があり、ベトナムとタイには事務所を構えています。ベトナムは縫製品の生産管理が中心、タイは生地の仕入れが中心です。内販が進展しているのは中国と韓国で、韓国法人による台湾、フィリピン向けもあります。

 アジアそれぞれの国の特徴は把握していますので、その特徴を生かして生産しながら、イタリアやインドの法人も含め、モノ・コトの発信力の強化にも努めていきます。もちろん、当社の生地生産の大半は今も国内ですし、今後も基盤が国内であることに変わりはありません。

-上半期(2021年2~7月)はいかがでしたか。
 前年同期比増収、大幅増益です。悪い環境の中で健闘できたと言えます。計画比でも上振れしました。ただ、一昨年の水準には届いていません。回復の度合いは今のところ生地よりも製品のほうが強いですね。前期末には在庫処分も断行し、一般管理費の抑制など利益を出せる体制を作りました。あとは売り上げを回復させるのみです。

-健闘の理由は期初に実施した組織改正にもあるのでしょうか。
 サステイナブルとデジタルを大きなテーマに挙げつつ、テキスタイルの国内外一体の事業運営やモノ作り・開発の強化を推進する組織体制としました。それぞれでかなりの進展が見られます。組織改正の狙いが現場にしっかりと伝わっていると感じます。これが上半期の増収増益の原動力になったことは間違いありません。よく理解し、頑張ってくれたと社員を評価したいですね。

-国内のモノ作り強化は具体的にどのような方法で。
 品質と納期のレベルを上げることと、オリジナリティーを強めることがテーマです。産地企業や染工場と納期管理について話し込みを進めています。生機の持ち方や発注タイミングの共有化などです。検反をアプリで管理して海外標準仕様に近づける試みも一部で進めており、実績が出つつあります。

-通期の見通しは。
 前期の赤字の理由の大半が構造改革によるものだったこともあり、増収、黒字化となりそうです。

2021年(令和3年)10月29日 金曜日 繊維ニュース 9面

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