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スタイレム瀧定大阪 トレサ確保した有機栽培綿 綿花の種から出所確認

 スタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)は今年、種、畑の段階からトレーサビリティーを確保したオーガニックコットン普及プロジェクトを立ち上げた。農場に種を販売するインドの会社、NSLグループと契約し、まずは900軒(約200ヘクタール)の綿花農場のオーガニック化を進める。収穫量は年間約100トン。今後徐々に契約農場、作付面積を増やす構想だ。

 同プロジェクトはトレーサビリティーの確保と同時に、農家の雇用創出、健康改善、専門性のある教育―といったSDGs(持続可能な開発目標)にも目を向けるもの。

 スタイレム瀧定大阪はインド法人を通じてNSLグループとこの考えを共有しており、農家選定の段階で都市部に近い地域ではなく、貧困層が多い農村地域を選び、多くの雇用機会を創出している。またオーガニックコットン農場がもたらす農薬不使用などの環境改善の恩恵により、農家の健康を守り、オーガニックコットン栽培における知見やノウハウの蓄積を長期にわたって行うことができるようになったという。

 オーガニック繊維の国際的な認証組織「グローバル・オーガニック・テキスタイル・スタンダード」(GOTS)は昨年10月、インドでオーガニックコットンの偽装売買を確認したと発表した。インドでは通常の綿花がオーガニックコットンと偽って売買されているとのうわさが以前から根強く、GOTSの発表によりその疑いが一段と強まった。

 スタイレム瀧定大阪によると、偽装問題が発覚した途端に「サプライヤーからのオファーが急減し、証明が取れているものは値段が高騰した」。一方、国内外のアパレルブランドでオーガニックコットンの需要は高まっている。ニーズの高まりの一方で供給が停滞している状況を改善する策の一つがトレーサビリティーの確保だとしてプロジェクトを立ち上げた。

 “プレ”段階のオーガニックコットンはその全量をスタイレム瀧定大阪が買い取る。

 農場がオーガニック化に踏み切れない最大の理由が“プレ”期間中に利益が出ないためだとされる。その全量の買い取りをスタイレム瀧定大阪が行うことで参入障壁を下げた。

 品質向上も大きな使命と位置付ける。NSLグループが種を販売している会社だからこそ品種やグレードを種の段階から管理し整えられることや、ジニング(種とわたを仕分ける作業)工場を持つことでこれまでできなかった品質の改善が目指せることを確認している。

 今年6月に種まきを完了。10~11月に生育調査を行い、11月中旬には収穫する。12月初旬にはジニングを行い、来月1月には1年目の紡績を開始する。

2021年(令和3年)10月28日 木曜日 繊維ニュース 5面

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