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スタイレム瀧定大阪 持続可能・デジタルで展示会 環境配慮前提に生地開発

 スタイレム瀧定大阪は、「サステナブル・デジタル展」を東京・渋谷で初めて開いた。次々と投入する環境に配慮した新素材や新たな取り組み、切り口を一堂に集めた。それらエコ素材とデジタル技術を融合し、独自の強みにする。(高田淳史)

備蓄する5000もの生地の物性やテクスチャーデータの読み込みを進め、約1800まで完了した。精緻(せいち)な3D・CGデータとして取り込み、活用することで見本反やアパレル試作品のサンプルレスを実現する。こうした3D・CGデータは、アパレルブランドや他商社にも提供し、活用してもらう考え。エコ素材の活用を事業の前提とし、その生地をデジタル化、アパレル製品シミュレーションまで連動させることで、「物作りの無駄を省いてリードタイムを短縮し、サプライチェーン(供給網)を改革する」と谷田修一専務取締役。

 〝共創〟をテーマに、様々な企業と協業し、新たな価値を生み出す。環境に配慮した新素材や切り口は多彩だ。ソニーが開発し、稲のもみ殻を活用した多孔質炭素材料「トリポーラス」は、衣類に加え、ソファ生地などインテリア関連やタオルなどに広がる。循環型の新事業でユニークなのが繊維くずや衣料品をポリエステル繊維培地として再活用する「プラス∞グリーンプロジェクト」。アパレルブランドと組んだり、回収、反毛して作ったフェルトを使って、バッグや椅子、什器などに生まれ変わらせるなど協業の幅が広い。このポリエステル培地は「トゥッティ」として販売する。淡路島に生育実証の場「スタイレムアグリラボ」を作り、ハーブやイチゴなど約20種類の果樹、野菜の栽培を始めた。屋上、壁面緑化での活用も含め、非常に関心が高いという。ヘンプでは新ブランド「キャンバスヘンプ」を立ち上げ、衣服や雑貨の卸販売を始める。

 ダウン代替として打ち出すのがカポック。わた販売や綿との混紡糸に加え、「シート状にしてアウターに使うと軽くて暖かいことが一番実感できる」とシート販売を軸にする点がミソだ。インドでは、インド企業と協業し、農家と一緒にオーガニックコットンを畑作りから取り組む「オーガニックコットンプロジェクト」が始動した。ウールでは今年、「日本国産のウールを使い、日本の工場で、日本製のウール製品を作る」というジャパンウールプロジェクトに参画した。

 生分解性素材では、PLA(ポリ乳酸)を活用したマテリアルブランドを立ち上げた。またテキスタイルコンバーター、V&Aジャパンと提携し開発した生分解性ポリエステル「エコアーチ・リーテ」は、循環型の取り組みを含め打ち出した。

 水を使わずに超臨界流体状態の二酸化炭素を用いて染色する「ゼロアクア」も注目だ。スポーツ分野で引き合いが強く、ポリエステルジャージーを軸に採用が進む。ゴルフウェア向けの鹿の子のポロシャツ生地などではベーシックカラーに加え、差し色も用意。今後生地バリエーションを広げる。

 ダイキン工業とは同社が開発した撥水(はっすい)剤「ユニダイン」を使った生地の共同プロモーション契約を結んだ。天然由来成分の原料を50%以上使うユニダインの非フッ素系撥水剤シリーズは、通気性や風合いを損なわず、洗濯後も高撥水を維持し、綿とポリエステルで効果を確立。薬剤はブルーサインとZDHCの認可を受けており、この切り口を武器に染色加工場と協業し、スポーツ、ファッション向けなどを狙う。コストも従来品と比べて、「少し高い程度」。また日本だけでなく、両社の海外拠点を生かして海外で生産、加工する生地にも活用できるため、幅広く販売する。

2021年(令和3年)10月15日 金曜日 繊研新聞 4面

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