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スタイレム、海外での生地販売堅調 中国市場が高伸 企画力と納期短縮カギ

 スタイレムの海外向けテキスタイル販売が堅調だ。上期(2〜7月)は中国市場が大きく伸び、「苦戦すると見ていた欧米が微増」(谷田修一専務グローバル事業部事業部長)と健闘、中東向けが回復してきた。伸びていた韓国は仕切り直している。

 前期(19年1月期)の生地を中心にした海外販売(スタイレム+海外現地法人)は約120億円に増え、今期も伸びている。中国では、「顧客の入れ替わりが激しい。すごい勢いで新規開拓をし続けないと伸びない」と商材の充実に加え、駐在員を増強し、営業を強めている。駐在員は上海、深圳併せて10人以上に増加。数年前から中国のスタッフがパリのプルミエール・ヴィジョンのブースで欧州企業を開拓するなど販売力をつけてきた。中国での販売は日本製生地が全体の8割。中国で作り、中国で販売する生地も2割まで増え、さらに伸ばす。

 「欧米向けはこの5年伸び続け、市況も厳しいので今期は苦戦を予想していた」が欧州ではメゾンへの販売が増え、米国では大手ストアブランド向けは厳しいものの、ニューヨーク中心に成長する新興アパレㇽ企業を開拓し、伸びている。欧米では、スポーツ関連の展示会にも出て間口を広げている。
 中東はサウジアラビア向けが回復してきた。韓国は、現地法人を設立してこの2年大きく伸びたが、最低賃金の上昇などで繊維産業が疲弊。取り組むニッター、機業場を決めて関係を深めるなど仕切り直している。

 「中国、欧米をもっと伸ばしたい。だが、課題は多い」と谷田専務。日本だけでなく、世界のどの地域でも2極化が進んでいる」とテキスタイルデザインのクリエイション力や品質の向上、リードタイムの短縮、販売力の強化が大きなテーマ。物作りや納期短縮では日本の産地企業との取り組みが鍵。染工場と一緒に検反を強めて品質を確保したり、納期を短くする施策を進める。

 欧米企業が求める環境に配慮した素材開発は、「まだまだ」。谷田氏が責任者を務めるジャージーを切り口にトレーサビリティー(履歴管理)できる仕組みや商材を作る考えだ。

 販売面では、展示会出展に加え、「もっと張り出さないといけない」とイタリア法人や中国などの拠点を軸に人材育成と営業を強める。「将来的には生地のクリエイション力をもっと高めたい」とテキスタイルデザイナーの育成に加え、有力テキスタイルデザイナーを採用したり、協業するなど様々な手を考える。マウロ・クレリチ氏との生地作りでは、日本の産地を活用したコレクションは休止し、伊・コモ地方をベースに作るテキスタイルコレクションで協業する。

2019年(令和元年)8月2日 金曜日 繊研新聞 4面

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