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《明日のためにできること》スタイレム瀧定大阪 インドで有機綿プロジェクト始動 畑作りから履歴管理 年100トン起点に拡大

 サステイナブル(持続可能な)原料として人気が高く、供給がひっ迫するオーガニックコットン(OC)。スタイレム瀧定大阪は、インド現地法人を活用し、インド企業と協業することで種・畑から管理する「オーガニックコットンプロジェクト」を始めた。(高田淳史)

 昨年発覚したインドのOC認定書偽装問題がきっかけとなり、半年前から話を進めた。「本物のOCだけを扱い、販売するには徹底した履歴管理が必要。思い切って踏み込み、種・畑から関わる」。スタイレムインターナショナルインディアの太田雅之取締役は、そう話す。OCを含めた綿花の種の販売から紡績、生地生産までを一貫で手掛けるNSLグループと組む。NSLが種などを供給し、取引のある農家は合計8000ヘクタール。そのうちの約200ヘクタールの100トンから扱い始める。「これは最小単位。世界的にニーズが強く、もっと大きくなる」(谷田修一専務取締役)という。

 畑はインド中部にあり、約900軒の農家と取り組む。ユニークなのは、畑作りや土壌改良から始める点だ。OCは3年以上農薬を使用していない畑で作る必要がある。これまで一般的な綿花を栽培していた農家を3年以上かけて農薬・化学肥料を使わないOC生産者に転換し、ゼロから取り組む。1年目は通常の綿で、2、3年目はプレオーガニックコットンとして買い取り、4年目に100トンのOCを仕入れる計画。OCに転換する期間も購入し続けて農家を支える。栽培する綿花は長綿で、50番手の糸などにする。6月末に種をまき、今年末に収穫する1年目がスタートした。「市場で買うだけでは見えない課題が、ゼロから取り組むとわかるはず。品質や生産効率性、不純物が混じるコンタミネーション問題など課題を解決することでノウハウや知見、経験が得られる。本当のプロでないと世界では勝負できない」と地力を高める。

 NSLからは、わたや糸で買う。それをインド、日本、イタリアなど世界の拠点でテキスタイルにし、日本を含めた世界で販売する。販売価格は市場価格に合わせる。「安く買うためではなく、農薬被害から農家や地球環境を守るところにプロジェクトの意味がある。OCのニーズは高いが、ハードルが高く農家が増えづらい。農家に還元する仕組みで生産者、供給量を増やし、需要増に応える」考え。賛同するアパレル企業や小売りと一緒に、大きなプロジェクトに育てる構えだ。

2021年(令和3年)7月16日 金曜日 繊研新聞 1面

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