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瀧定大阪社長兼スタイレム会長 瀧隆太インタビュー 変化への対応が歴史であり未来 守りそして磨き続けるべきものは人の感性・感度

国内最大の服地コンバーターである瀧定大阪は、前身の瀧定含め154年という長い歴史を持つ。「第4次産業革命」の流れもあり現在は「最も変化の大きい時代」とされるが、瀧隆太社長は「当社は変化に対応してきたからこそ生き残ってこられた会社」と振り返る。一方、変えてはいけないものもある。「人」を強みとし、人が持つ「感性・感度」を大切にし、磨き続けることは変わらないとしている。瀧隆太社長に考えを聞いた。

―貴社は元治元年(1864年)の創業以来、154年の長きにわたって会社を存続、発展させています。

 当社は創業以来、一貫して繊維の会社です。当初は呉服向けの反物を取り扱っており、戦後、洋装文化が浸透するにつれて服地へのシフトを進めてきました。最近では最終製品事業や海外事業にも力を入れ、それら事業が成長しています。環境に応じてターゲットゾーンや注力業態を変化させてきた結果であると思っています。
 一方、重視してきたこだわりもあります。当社の業態は商社であり、人と人、会社と会社の信用が事業発展のための最も大切な要素。それを重視する姿勢は昔も今も変化していません。単に仕事を取り次ぐのではなく、主体的に動く。そしてそれは商品を作っていただく仕入れ先さま、商品を買ってくださるお客さまがあってこそ。共存共栄の精神は全くぶれません。

―ただ、日本の繊維製造業の担い手である産地はその規模を大幅に縮小しています。

 一つの方向性は、世界で存在感を発揮することではないでしょうか。当社は海外販路を持っています。海外のニーズを探りながら産地の方々と一緒にこの問題を解決していきたいと考えています。

―海外が今後の鍵であることは間違いないですね。

 この表現は誤解を招くためあえて申し上げますが、海外というよりも「世界」という言葉が的確かと思います。この言葉にはもちろん日本市場も含みます。世界で作って世界で売る。また生産に関して言えば、海外も拡大していますが、あくまでベースは日本製生地。それを世界中の市場に売っていく。この機能を追求していきます。

―現在はかつてないほど先行き不透明な時代。危機感もあると思います。

 日本市場の今後についてはやはり危機感を持っています。人口減による市場の縮小という不可逆的な変化があるわけで、ここでどのような発展戦略を描くのか。先ほども申し上げました通り、国内をベースにしながらも、世界に向けて事業を広げていくことが発展戦略になります。
 当社の企業価値は人そのもの。その価値が市場に認められないと、“中抜き”されてしまう。ネットの普及によって作り手と買い手がダイレクトにつながるようになったのが今の時代。それでも商いの中間に何者かが介在していた方がいい、そこに価値があると感じていただけないと、当社は存在できません。単なる取り次ぎでは未来はない。その危機感は強い。世に求められるものを予測し、自ら作り出し、世に届ける。この主体的な機能を改めて追求していきます。

―AIなどデジタル技術の活用については。
 
興味はありますし、研究も進めていますが、今はそれがまるで万能解であるかのように、期待値が先行しすぎているように感じます。便利なものには依存してしまうのが人間。当社の強みである人の「感性・感度」もそれによって鈍ってしまう恐れがありますので、慎重に活用方法を見極めていくつもりです。

―最後に、貴社の未来図を。

 仕入れ先さま、お客さまから常に必要とされ、感謝される存在であり続けることを目指します。そのために今後もマーケットを先読みする力を磨いていきます。当社の強みは人。今後も人の持つ「感性・感度」を大事にする会社でありたいし、それを守り、磨くことが当社の発展、ひいては業界の発展につながるはずだと考えています。

2018年(平成30年)6月25日 月曜日 繊維ニュース8面

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