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トップインタビュースタイレム 人口減の対応力が問われる 

瀧定大阪社長 スタイレム会長 瀧隆太氏
―業界や貴社にとって最もインパクトの強い世の中の流れとは何でしょうか。
 長期的にみると、超高齢化社会ですね。人口減少は業界にとって大きなインパクトですし、ジワジワとそれが進んでいくため見落としがちなところも危ない。ファッション業界をけん引してきた世代の交代や、産地企業の事業継承の難しさにも影響してきます。この現象にどう対応していくのかが問われます。
 服の買い方が変化していることも影響が大きい。ネット販売が盛んになり、レンタルやシェアリングなど新たなサービスも出てきています。新品を作って売るという既存のビジネスにとって、これらの新サービスは対照的な存在。おそらくさまざまな修正が加えられていくことと思いますが、注視すべき流れでしょう。
 大量生産、大量消費、大量廃棄の問題も気にかかるテーマです。にわかには信じがたいほどの数の衣料品が廃棄されているとのこと。個人的にもこの問題をこのまま放置していていいはずがないと考えますし、消費者の意識も無駄の排除へと向かっていくでしょう。

―サステイナビリティー(持続可能性)については。
 欧州のブランドがその発信源でしょうし、消費者の意識も高まっています。エコロジーにはコストがかかるし、ビジネス上では難しい面もある。ただ、当社も既にサステイナビリティーやトレーサビリティー(追跡可能性)への対応を強めていますし、まだまだできること、やらなければいけないことは数多い。携わるわれわれの意識を変えていくことが最も大事だと思います。サステイナビリティーもトレーサビリティーも、部分だけではあまり意味がない。サプライチェーン全体をトータルで捉えて設計されるべきですし、コンバーターであるわれわれにはそれができると考えています。

―デジタル技術についてはどのようなスタンスですか。
 産業革命と同等のインパクトを持つものだと思います。グローバルSPAなどでは導入も進んでいます。個人的にも会社的にもまだまだ研究の段階ですが、引き続き注視していきます。

―9月のプルミエ―ル・ヴィジョン(PV)・ファブリック」でスタイレムがPVアワードの一つを受賞しました。
 PVには出展意思を伝えてもメーカーでないことがネックになって長年出展がかないませんでした。企画してきちんとモノ作りをしていると主張し続け、ようやく出展できたことを踏まえると、感慨深いものがありますね。うれしい出来事です。

―上半期(2018年2~7月)はいかがでしたか。
 詳細は控えますが、厳しい中ではまずまず健闘できたかなと思います。国内向け生地販売が維持でき、輸出は引き続き伸びました。国内では取り組み型のビジネスが増え、輸出では中国向けが特に好調です。ただ、中国市場もいつまでも伸びるものではないと思いますので、その見極めが大事になってくるでしょうね。製品事業は構造改革を進めているところです。

―米中貿易摩擦という懸念材料もあります。
 どのような影響が出てくるかは不明ですが、保護貿易が世界全体に及ぼす影響が良くないものであることは間違いないでしょう。

―今後の重点戦略を。
 これまでと同様ですが、適地適品生産体制を構築していくことが最重要課題です。国内産地のモノ作りを海外にシフトするという意味ではなく、そこを維持拡大した上で、海外の各拠点とも連携しながら生産地を広げ、深めていくということです。

―人材確保難も顕在化しています。
 当社で特に今大きな問題が発生しているわけではありませんが、企業全体として優秀な人材の獲得競争になっているのは間違いありません。当社は元気で突破力のある人材を求めています。ビジョンを示し、魅力を発信することでそうした人材を採用していきたいですね。

―働き方改革という観点もあります。
 仕事とプライベートのバランスが大事。始業と終業の時間を柔軟に選択できる制度も導入しましたし、多様な人が多様な働き方ができることが理想だと考えています。ただ、易きに流れることのないよう、緩めすぎないよう注意することも必要でしょうね。

2018年(平成30年)11月1日 木曜日 繊研新聞14面

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